先日、こんな記事を書いてみました。
この中で「原価の見直しは有効」という事を少し書かせていただきましたが、本日は以前に原価の管理はどうしましょうか、という記事をリライトしてこの状況に合った考え方を書いてみようと思います。
原価の基本的な考え方
まずは原価の基本的な考えについて。
原価というのは飲食で言う所の大部分を占めるのが食材の事になります。大部分、と書いたのは100%食材だけの値段で原価設定してしまうと、微妙に計算がズレてしまうのでそう書かせてもらいました。詳細はのちほど。
では食材の話に戻りましょう。
例えばパスタを作るのには麺が必要ですよね。
もちろんその他もろもろ必要ですが、例えば麺だけ提供するとしましょう。
麺100gが30円だとして、それを100円で販売したとします。
すると、原価は30%となります。
しかし100円では高すぎる、80円で販売しよう。
こうなると原価は37.5%となり、同じ物を同じグラム数で販売しても
販売価格を下げると原価率は変わってきます。
30円の食材費がかかっているパスタを100円で売ると、単純な原価は30%、となります。
食材費÷販売価格×100=原価(%)
少し話が反れますが、この原価率を抑える事が出来れば「粗利益(売上総利益)」が増え、一般経費に充てる事が出来ます。そして、最終的にその経費も抑える若しくは今までと同じで粗利益が増えれば結果的に利益が増えます。
- 粗利益=売上高ー原価
- 純利益=粗利益ー販売管理費+営業外費用
しかし先程も申しましたが、単純に食材費=原価として設定すると微妙に数字がずれる場合があります。次見ていきましょう
原価は食材だけの値段で構成されていない
ひとつのメニュー対する原価の考え方はわかりました。
では、お店を運営する場合、メニューは1種類でしょうか?
いくつものメニューを提供し、お客様に楽しんでいただきますよね。
なのでここはお店全体の原価を考えてみましょう。さらにメニューをお客様へ提供する場合、「お皿」や「グラス」などが必須です。そこをどう考えるかも合わせて説明します。
①基準の原価率を設定する
お店全体の原価率を何パーセントにしたいのか、そこをまず決める必要があります。
以前の投稿で飲食はざっと30%の原価率を見ておく、というお話をしました。しかし、全体の原価が安いメニュー構成だと30%以下で設定してもOKです。(例えばコーヒーのみ販売するとなると、全体原価は20%を切ります)
逆に全体の原価が高いメニュー構成だと30%以上で設定する必要があります。
(例えば、国産和牛のみを使ったステーキ屋さんなどは40%を越えます、おそらく)
なので、自分がどの辺りを基準に原価設定するのか、ここは熟考して決めるべきです。
②アイテムごとの原価を決める
アイテムごと、例えばカフェだとドリンク〇%、デザート〇%など。
そのアイテムごとに原価率が変わってきます。
ただ、アイテム数はさほど多くないと思いますのでここはざっとで良いと思います。
③個別の原価設定をする
使った食材の原価を出して、そこから販売価格を決定します。
アイテムごとの原価率を設定しておけば、原価額÷(原価率÷100)です。
(原価30円÷原価率0.3=販売価格100円)
④最終調整
先程言った通り、原価=食材費、では微妙なズレが発生することがあります。
なので、ざっとで良いので食器やイスなど店舗全体でかかっているお金を把握しておきましょう。
だいたいですが経験上、個別の原価設定をしたあとさらにそこに3~5%の売価を
上乗せすると良いです。
仮に先程の100円パスタでいくと、30%の原価を100円で販売。
そこにさらに全体の経費を5%上乗せして105円で販売します。
すると原価は28.5%となり、1.5%のインパクトとなります。
もうひとつ付け加えておくと、傷みやすいもしくは販売価格が変動しやすい食材を
メインに使用している時はもう少し上乗せしておかないと食材ロスが増えた時に採算が合わなくなりますのでご注意を。
原価のまとめ
- 原価の基本は食材費だが、使用する食器類も考慮する
- 原価を抑える事が出来れば、粗利益が増える
- 粗利益が増えれば、経費に充てれたり純利益に繋がる
- 過度な原価抑制はクオリティの低下につながるので注意が必要
原価管理は地味な仕事ですが、損益に直結する大事な仕事です。