6月19日、県をまたいでの移動自粛制限が緩和されましたので、これで実質新型コロナ感染拡大前とほぼ同じ条件で生活しても良い、と理解して良いと思います。
ただし「新しい生活様式」というのが前提にある以上、感染拡大前と同じ、というわけにはいきません。
また、新型コロナウイルスが消滅したけではありません。当然の事ですが第2波への警戒と備えは怠ってはいけません。
今回は事業主として出来る備えと心構えをまとめてみました。
資金面の備え
最低2か月間、売上ゼロでも耐えられる資金の確保
業種にもよりますが、特に影響の大きかった業種は2か月まったく売上がない、つまり休業せざるを得ない状況だった事業主も多かったと思います。
また、営業再開してもすぐには100%に戻らない事も既にお店を開けて体感している方も多いと思います。
なので最低でも2か月間、お店の売上がゼロでも家賃や自分の給与、従業員の確保や人件費の支払いが出来る現金を手元に置いておく必要があります。
しかし、売上がないのに稼ぐ事は出来ません。なので融資を利用します。
各都道府県や商工中金の貸付もありますが、おそらく公庫の貸付がシンプルで審査も現在通りやすくなっています。また、金利も私の経験上一番低いです。サイトにそのまま飛べますので、検討してみてください。
※当然ですが融資です。申し込みと同時に返済計画も頭にいれましょう
衛生用品の備え
普段購入、または発注する量の1.5倍を意識する
補足として、にわかにコロナウイルス感染拡大をしてきた頃を思い出してください。
まずはトイレットペーパーがなくなりました。しかしこれはデマの情報が流れたという事もあり、わりと早めに在庫が復活しました。ティッシュペーパーも同様です。
次にウエットティッシュやアルコール製剤です。これは今でも在庫があまりない状態ですが、業者によっては予約販売(つまり入荷後即納品してもらう)という状態の所もあるようです。なので、これは普段発注する量の1.5倍くらいを目安に確保すると良いと思います。
あとはマスクとポリ手袋です。マスクはもう既に在庫があり、肝心の価格も相当崩れてきて感染拡大前の価格に戻ってきたところもあります。ポリ手袋に関してはあまりニュースになっていませんが割と品薄です。また、色々な用途があるため、今回を機に普段の生活でも使ってみようという方も増えたと思います。なのでポリ手袋も普段発注する量の1.5倍くらいを目安に確保すると良いと思います。
強靭なメンタルへの備え
現金、衛生用品と前の2つは有形でしたので用意もわかりやすいと思いますが、実は肝心なのはメンタルの部分です。
先に肝心なポイントを紹介しておきます。
自分のお店は何も変わっていない事を覚えておく
当たり前のことかもしれませんが、実際に見失う方も多いです。
例えばコロナではなく、実際に私が被災した台風でも同じです。
確かに台風による大雨で河川が氾濫し、お店は浸水被害に遭い2か月間営業できない状態でした。しかし、やむを得ず営業できない状態というだけで実際に元通り復旧して浸水被害前と同じ状態で営業すれば自分のお店は何も変わっていません。
もちろん、資金面等で前と同じ状態に戻せない場合はメニュー等に弊害が出るかもしれませんが、オーナー(自分自身)は変わってないと思います。
事実、浸水被害後の再開時にはたくさんのお客様が来てくれました。そしてその中のほとんどが一度来た事のあるお客様、中には来店頻度の高い常連様も含まれます。
変わらない自分のお店があれば、来てくれるお客様も変わりません。
さて、これを今回の新型コロナウイルスの被害に例えてみましょう。
新型コロナウイルス感染拡大によって、自分のお店は何が変わったでしょうか?おいしい味が変わったでしょうか?答えはNOです。
いくら疫病が拡大したからと言って、自分のお店は何も変わりませんし味も当然変わりません。
感染症対策として、アルコール製剤の設置、常時換気の実施、マスクの着用、席数を減らした営業、営業時間の短縮、検温の実施などなど。これらの対策は必要であると同時に自分たちで変えていった事柄です。そして、この中で本当に必要な対策はどれか、もう一度精査する必要があります。
また、テイクアウトやデリバリーの実施、これも同じです。変えていったのは自分自身です。テイクアウトやデリバリーの緊急実施によって変わる事もたくさんあります。また、イートインで提供していたメニューをテイクアウトで提供するので色々なリスクを考慮しなくてはいけません。本当に、今、テイクアウトやデリバリーが必要ですか?何も変わらないのに、自分たちで複雑に変えてしまっていませんか?
もうひとつ付け加えるならば、お客様の事を考えていますか、という事です。売上が大幅に減っているからテイクアウトで補おう、感染拡大を防ぐために時間の短縮をしよう、など。
これらの対策にお客様が主体となっているかを今一度考えた方が良いと思います。
おそらく、今お客様は感染拡大前の普通の生活に戻りたいと思っています。その中に、前と同じように気兼ねなくイートインを利用したいと思ってるはずです。その中で席数を減らしたばっかりに、せっかく久しぶりに外食しようと思ったのに席がない、イートインにしようと思ったのにテイクアウトしかやっていない、夜行こうと思ったら短縮してて営業していない、など。
こうなるとお店側も100%客数の戻りを期待しているにも関わらず、行動が矛盾しています。それどころか、またしばらく来てくれなくなるかもしれません。
感染拡大防止対策は当然実施しなくてはいけませんが、小康状態の今だからこそひとつひとつ見直すのも良いかもしれません。
まとめ
- すぐに事業がショートしないよう資金を確保しておく
- 品切れを起こして迷惑が掛からないよう事前に衛生用品等の確保をしておく
- メンタルがやられると、いくら対策を講じていても立て直しが難しい