新型コロナウイルス感染拡大防止のため、時短営業しているオーナー様も多いと思います。
先日、緊急事態宣言が解除されましたがそれに併せて時短営業をしていたのを通常営業に戻したオーナー様も多いと思います。しかし、それはほんとに有効なのでしょうか。
今までは、例えば売上が少ない場合営業時間を延ばしてでも売り上げを取りに行こうという手段もひとつありました。
ここでは営業時間を延ばした場合、それが有効なのかどうか、というのをパレートの法則で検証してみたいと思っています。
※本文の最後に80:20に関するおすすめ本2冊紹介しています
80:20の法則(パレートの法則)について
2割の要素が全体の8割を生み出しているというばらつきの状態
パレート分布、2:8の法則などと同じ意味合い(たまに2:6:2もあり)があり、一部(2割)の要素が全体(8割)に大きな影響を及ぼすこと。
単純な人数に例えてみると、全体で10人いる中で2人が全体の8割に影響を及ぼしている、と考えるとイメージしやすいかもしれません。
法則についてはあまり例外なく説明出来ますので、主な例について次から見ていきましょう。
パレートの法則の主な例
上記は一例です。この他にも色々なシチュエーションに当てはめる事ができますが、イメージとしてはだいたいこんな感じでしょうか。
「全体の2割」が大きなポイントとなっております。
それではカフェに例えた場合、どうなるでしょうか。
1日の売上の8割は、営業時間の2割で賄っている
例えば・・・
1日10万円の売上があるとして営業時間は10時間。ランチタイムの中でも一番忙しい時間2時間で8万円の売上がある。残りの8時間で2万円の売上があり、トータルで10万円の売上となる。
これは極端じゃないですか?と聞こえてきそうですが、実際にこういう店舗はあります。
カフェではありませんが、私の知っているラーメン屋さんのとある店舗は営業時間が11時から14時の3時間。そしてそこは11時開店から満席です。閉店の14時までずっと満席で1日が終わります。
古い歴史はわかりませんが、もしかするとそのお店も長い時間営業していたが、パレートの法則に気づいて3時間営業にしたのかもしれません。
パレートの法則に沿ってウィズコロナを考える
では、今まで⇒時短営業⇒緊急事態解除後の通常戻しを考えてみましょう。
【今までの営業時間】
あさ10時から、よる21時まで
【新型コロナウイルス感染拡大防止の時短営業】
あさ10時から、よる19時まで
【緊急事態解除後の通常営業に戻す】
あさ10時から、よる21時まで
これだと時短営業をしていただけで、その前後は変わりません。
それでも良いのですが、この営業時間に「時間帯別売上」を加味してみます。
カフェだとランチがメインのお店も多いと思います。
1日の売上が5万円としてみましょう。
10時-11時・・・3,000円
11時-12時・・・5,000円
12時-13時・・・12,000円
13時ー14時・・・15,000円
14時ー15時・・・5,000円
15時ー16時・・・5,000円
16時ー17時・・・2,000円
17時ー18時・・・0円
18時ー19時・・・2,000円
19時ー20時・・・1,000円
この場合、12時から15時の3時間で32,000円の売上があります。1日50,000円の売上なので3時間で全体の64%の売上を賄っている事になります。
※必ずしもキッチリ「80:20」に収まらなくても良いです。あくまで近似値で考えましょう。
一方、17時から20時までの売上は3,000円。1日50,000円の売上に対して6%の売上となっています。
もしこの17時から20時までの3時間の間に獲得できる6%の売上(3,000円)を12時から13時の間に獲得できる12,000円の売上に加算する事ができないのか、考えてみます。
もし、もう少しの努力で集客が出来て、この17時から20時までの間の3,000円をお昼に獲得できれば17時から20時までの営業時間は無駄となります。
しかし、一概に無駄とは言えません。
当然の事ながら「その時間にしかこれないお客様」というのがネックとなります。
もちろん、そのお客様は大事なお客様です。その時間にしかこれないので仮に17時から20時までの営業時間をなくすと来れなくなります。
そこはそのお店ごとの事情やお客様とのお付き合いもありますので各オーナー様の判断となりますが、経費(人件費)と売上の事を考えるとこの場合は「時短営業を継続」するのが望ましいと思います。
まとめ
- まずはパレートの法則を理解する
- その理解したパレートの法則を自店にあてはめてみる
- 自店の時間帯別売上を把握する
- 80:20を営業時間と時間帯別売上にあてはめてみる
- 所謂「ムダな営業時間」があれば時短営業をあえて通常に戻さなくても良い
- 「その時間帯にしかこれないお客様」をどう扱うかがポイント
最後のポイント「その時間帯にしか来れないお客様」ですが、実は話を聞いてみるとその時間帯以外でも来れる事がある場合もあります。
その場合「その時間が空いてて来やすいから」という理由の場合もあるので、これを機会にお客様と会話する事で新しい発見があるかもしれません。
80:20の法則の本でおすすめが2冊ありますのでご紹介しておきます。
【イラストの付きの方が頭に入りやすい方はこちら】
【ひたすら文字だけ読んで自分なりの想像を膨らませたい方はこちら】
どちらも本質は同じですがおすすめですのでぜひ。