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【現実を受け入れながら前に進む事がどれほど難しい事か・・・】
10月13日の事(被災初日)はほとんど覚えてません。
夜に店舗の写真を撮りましたが、それを見てなんとなく思い出した程度。
ちなみに丸1日の復旧作業で
・床の汚水除去
・冷蔵、冷凍庫、常温の食材処分
・使用不可の電化製品処分(外に出しただけ)
・椅子、棚などの家財道具清掃
このくらいやりました。
なので外から見たら汚水が店内に残っていたり物品が散乱していた等の形跡はありません。
その夜はどっと疲れました。
そして次の日起きるがイヤでした。
次の日起きると、見たくない現実を目の当たりにする。
現実を受け入れながら前に進む事がどれだけ難しい事か。
これは被災した当事者でないとわからないと思います(決して被害者妄想ではなく)
あ、そうだ。書きながら思い出しました。
当日避難所から家に帰ってきたのが朝6時半くらい。
すぐに復旧作業に取り掛かってから、確か10時くらいだったでしょうか。
決壊した河川からさらに水か溢れてきているから緊急避難という近隣住民からの声。
確かに日光に当たってキラキラしている水が遠目でも確認出来るレベル・・・
急いで避難しました。
皆が急いで車を出すから超渋滞。皆焦ります。
いわゆる軽いパニック状態でした。
自宅の2階で避難をしていた方の中には車が浸水でダメになった人もいて
走って逃げる人もいました。
とりあえず家の片付けも優先しないといけないので、奥さんと子どもだけ避難させて
旦那さんは自宅待機のところもありました。
しばらくはこの状態が続くのか・・・そう思うと先が思いやられる気持ちでした。
ちなみに一度氾濫や越水した川は氾濫危険水位が下がるそうです。
なので、当日も確か1日中氾濫危険水位のままだったと思います。
誰かのせいにしたくなりますが、誰のせいでもありません。
その日は次の日の事は考えたくないながらも、身体の方が疲れていたのか少しだけ熟睡できました。
【2日目以降の事もしっかり時系列で覚えていたわけではない】
2日目以降。
同じように復旧作業です。
現実は逃げませんね。逃げているのは自分の心だけです。
しかしやらねばなりません。
昨日と同じように椅子や棚の洗浄。
壁面の拭き掃除や床の清掃。
日を追う毎に作業は細かくなっていきます。
以前も書きましたが、私の家は店舗兼住宅。
1階が店舗で2階が住宅というたまに見かけるアレです。
今回被災したのは1階部分ですので、2階の住宅部分は全くの無傷です。
しかし近所の方は1階が居住スペースで2階は寝室など、全てが住居です。
当然と言えば当然なのですが、私の家は2階にいる以上、生活は全く問題ありません。
なので被災後の復旧作業でも、それが終われば普通の生活が出来ます。
(お店が出来ないので収入はゼロですが・・・)
1階が居住部分の近所の方はおそらくリビングがやられました。
小さな子どもがいる方は子ども部屋やおもちゃ、洗濯機やお風呂の部分もやられたと思います。
子どものおもちゃや冷蔵庫を捨てている様子は、見るに堪えない光景です。
さらに床の断熱材やシートもやられているので一見なんともないように見えますが
断熱材は水に浸かるとアウトですからね・・・。
気になる方は座るのも躊躇されると思います。
家の前の道路も大変でした。
アスファルトは乾燥した泥でおおわれています。
それを高圧洗浄で流したとしても、作業車が入る事でまた汚れてしまいます。
道路は皆の共同スペースなので手分けして洗浄します。
たぶん3日間くらい同じ洗浄をしてました。
まとまった雨が降れば流れるでしょうが、台風一過ではあまり期待できません。
こういう時は近所間での声掛けと、率先した作業が必要ですね。
まだまだ書いていない事があると思いますが、思い出したらリライトします。
以前からお話している通り、復旧作業に必死で身体が拒否反応を起こし
勝手に動いている感じでしたので全てを覚えているわけではありません。
そんな日々の作業があり、1週間ほど経過すると各業者の点検がスタートしました。
もちろん当日に住宅メーカーの方が来てくれたり、水道業者が来てくれたり
電気業者が来てくれたりと住宅とインフラに関する対応はすごく早かったと思います。
なので、初めての経験とはいえ、その辺りはすごく助かりました。
私の家に限っては1階が店舗なので主に厨房機器ですね。
厨房機器に関しては大きく分けて冷凍冷蔵庫2台、製氷機1台、食器洗浄機1台。
ガス系統でガスコンロとガスフライヤー。このあたりです。
全く動かないものもあれば辛うじて動くものもあり、対処はまちまちです。
で、対処は良いのですが問題は日数です。
とにかく業者がパンパンとのこと。
それは素人目でもわかります。
店舗修繕のメインは厨房機器ですから、逆にそれの目処がつけば再開時期もはっきりします。
(実際は他の問題があったんですけどね、当時、の話です)
なので私は10月中に再開したいと思ってましたが、結果的に3度か4度修正しました。
なかなかうまくいかないもんですね。
それと金銭面です。
残念ながら水災に関する保険には全くノータッチでしたので、全て実費。
近所の方に聞くと、水災保険に入っている方は約50件のうち1件だけだったそうです。
火災、地震はほとんどだと思いますが、水災はノーチェックでした。
水災に対する保険なんてノータッチだよ・・・と思っていましたが、
お店をやっている以上あらゆるリスクに対応しなければいけないなと反省しています。
タラレバの話ですが、損害と休業保険に加入していればここまで頭を悩ませる事は
なかったと思います。
リターンも大事ですが、リスクも大事ですね。身を持って経験しました。
なので実費(といってもそこまで持っているわけではありません)で賄えるのか。
それとも借入しなくてはいけないのか。
片付けがひと段落したら次にその問題が待ち受けていました。
片付けは目に見えて成果がわかるので進捗具合は良好です。
ただし、金銭的な部分になると申し込む⇒待つ、これの繰り返しですから
どちらかというと片付けよりこちらの方が大変です(現在進行中)
あとは細かい修繕や清掃が、乾燥させたりする部分もあるので
待てば良いだけなのですが再開できないもどかしさもあり、日が経つのが遅く感じます。
つい最近の事はある程度記憶しています。
しかし2日目以降から最近までは時系列がぐちゃぐちゃです。
精神的に不安定とはこの事を言うんでしょうね。
③はこの辺にしておきます。
時間見つけ次第、続きの④を記したいと思います。
それではまた、たかひろでした。